会津の歴史 戊辰戦争百話

第三十二話:白虎隊・鈴木源吉

■鈴木源吉(すずき・げんきち)
側医鈴木玄甫(百二十石)次男。母の名はさだ子。郭外長丁に住した。父は内科
医として名があり、診薬を乞う者常に門前に満ちた。源吉は十歳で日新館に入校し
毛詩塾一番組に編入された。文武の技に長じ、特に槍術は宝蔵院流、剣術は真天流
を学び、最も砲術を好んだ。戊辰の役においては白虎士中二番隊に編入されたが、
その出陣に当たり家兄金次郎は、もし負傷のために擒(とりこ)となったら速に自
決し、敵の辱めを受けるべからずといって愛蔵する冬廣の短刀を与えた。源吉はこ
れを謹んで拝謝し、仏壇を拝して出陣して行った。だが戦利あらず、飯盛山上にお
いてその刃に伏した。
ときに源吉十七歳。法名を顕忠院達誉義通居士という。
▲上の写真は現在の飯盛山です。(管理人)
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